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「油〆」の話


日本には、「手〆」という風習がありますね。
例の、「宴たけなわではございますが、お手を拝借、いよーッ シャン・シャン・シャン・・・・・」というあれです。
業種業界によって独特の手〆が伝わっていますが、油の業界にも古くから伝わる手〆があります。ところが、石油などの鉱物油の業界と食用油脂業界では、手〆が違うんですよ。
石油は、井戸を掘って油田に当たると「どーん」と原油が噴出します。ということで、油田を一発で掘り当て、ドンと原油が出ますようにという願いを込めて
「イヨーッ、シャン」の一拍・一本〆が慣わしになっています。

一方、油屋が属している食用油脂の業界では、一年・12ヶ月・春夏秋冬に亘り、産業や生活に欠かすことの出来ない油で、円満で健康な生活が送れますようにという願いを込めて、
「イヨーッ、シャン、シャン、シャン・シャン、シャン、シャン・シャン、シャン、シャン・シャン、シャン、シャン」(最後の3拍はゆっくりと)と12拍一本の「油〆」で〆るのが慣わしになっています。
文章で書くと長くてピンとこないのですが、実際に〆てみるとリズム感があって良い手〆ですよ。(手前味噌ですみません)

当油屋でも、新年会、忘年会、歓送迎会、業界の集まりなど、事あるごとに「油〆」をしますが、新入りは、この「油〆」をきちんとしめられるようになってようやく半人前です。

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