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●油を食べないと長生きできない?
油のカロリーは921〜941kcal(100g当たり)と高めですが、カロリーが高いからといって油を食べないとどうなるでしょうか。油の摂取量が少ないと血液中に必要なコレステロールが不足し、血管のしなやかさが失われてしまいます。その結果、血管はもろくなり、切れやすくなります。昔の日本人が若くして脳卒中で亡くなる方が多かったのはこの所為です。また、必要な栄養素の中には例えばビタミンEなど水には溶けず油にしか溶けないものが多くあります。これらは油の中に含まれていたり、油で調理することで体内に取り込めることができるようになります。とくに、胡麻油に含まれているセサミンなど油の中には血液中の活性酸素を抑制し、老化防止や癌の増殖を防ぐ役割を果たしている天然の抗酸化成分や血液中のコレステロールを取り除くステロールなどの大切な成分が含まれています。
油の摂取と死亡率との関係から見ても長生きの条件のひとつとして1週間に4回以上油料理を食べる人と、それ未満の人では男性で約3%、女性で約10%、油料理を多く食べている人の方が長生きしているという研究結果も出ています。(東京都老人総合研究所 小金井市70歳老人の総合健康調査)
●油の望ましい摂取量とはどのくらい?
だからといってむやみやたらに取ったらどうでしょうか。栄養の取りすぎは体によくないのと同じで、油を取りすぎるとカロリーが高いだけに太ってきます。特に、動物性の脂の取りすぎは血液中の悪玉コレステロール(LDL)を増やしてしまい、血液がドロドロとなり血管が詰まってしまいます。その結果、心臓病や脳梗塞となり命に関わる病気となってしまいます。では、望ましい油の摂取量とはどのくらいでしょうか。
アメリカをはじめ、多くの先進国では油の摂取量の目標とする脂質のエネルギー比率を全食事エネルギーの30%前後としています。欧米人の食事が肉食を主体としているために高めの指標となっています。では、日本ではどうかといいますと厚生省が平成6年に発表した「第五次改定日本人の栄養所要量」がその指標として58g(1人1日当たり)としています。全食事エネルギーの20〜25%を脂質から取るエネルギーの割合としています。
●油の取り方もバランスが大切?
油にはそれぞれ飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がある割合で含まれています。
飽和脂肪酸としてはリノール酸(n−6系脂肪酸)、一価不飽和脂肪酸としてはオレイン酸(n−9系脂肪酸)、多寡不飽和脂肪酸としてはリノレン酸(n−3系脂肪酸)が代表的な脂肪酸です。特に、リノール酸とリノレン酸は人間の体内では合成できない必須脂肪酸とよばれ、食事などから摂取する必要があります。
これらの脂肪酸をバランスよく摂取することが大切です。特に、平成13年に発表された「第六次日本人の栄養所要量」では飽和脂肪酸であるリノール酸(n−6系脂肪酸)と多価不飽和脂肪酸であるリノレン酸(n−3系脂肪酸)を4:1の比率で摂取するように指導されています。マグロや青身魚に多く含まれているDHA/EPAもn−3系脂肪酸の仲間です。
血管をしなやかにし血液中の悪玉コレステロール(LDL)を取り除くオレイン酸、代謝を促進するリノール酸、血液をサラサラにするリノレン酸をバランスよく摂取することが大切です。
●目に見えない油?
食用油の大豆や菜種、牛や豚などの動物から作られています。胡麻油、オリーブ油やバターなど油として目に見えるだけではなく、当然に豆類や穀物類、肉や魚などの中にも油があります。見えない油は実に全油の摂取量の73%を占めています。これらの目に見えない油も含めてバランスよく油を摂取することが大切です。
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