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飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸


オレイン酸は悪玉コレステロール(LDL)の血中濃度を下げ、また、体内の活性酸素による酸化を受け難い脂肪酸です。

リノール酸は細胞膜構成成分のひとつです。適量の摂取は身体の組織の正常機能の維持や免疫作用強化する役割をもっています。活性酸素の酸化を受け易く体内で過酸化物質を作り易い性質を持っています。血中のコレステロール(HDLおよびLDL)を下げますが、過剰摂取によりアレルギー発生(免疫過剰反応)や善玉コレステロール(HDL)の低下を引き起こします。逆に不足は発育障害や生体膜の不安定化による皮膚障害を引き起こす恐れがあります。

α−リノレン酸も細胞膜構成成分のひとつです。α−リノレン酸は代謝作用として一部はEPA(エイコサペンタエン酸)という生理活性資質に変化します。適量の摂取はリノール酸とは逆に免疫作用を正常化させ過敏症の改善によりアレルギーの炎症を抑制します。また、血栓の防止や中性脂肪の低下に繋がります。ただし、リノール酸と同様に活性酸素の酸化を受け易く体内で過酸化物質を作り易い性質を持っています。過剰摂取は免疫機能低下をもたらし感染症に罹り易くなります。逆に不足は視力障害や学習能力の低下をもたらします。n−6系とn−3系は拮抗作用となります。ですから、この二種類の脂肪酸はバランスよく摂取することが大切です。

厚生省による「第6次改定日本人の栄養所要量」によると
[1]飽和脂肪酸(S),一価不飽和脂肪酸(M),多価不飽和脂肪酸(P)の望ましい摂取割合はおおむね3:4:3を目安とする。
[2]n−6系多価不飽和脂肪酸とn−3系多価不飽和脂肪酸の比は、健康人では4:1程度を目安とする。となっています。

n−3系脂肪酸にはα−リノレン酸以外にEPA(C20:5)とDHA(ドコサヘキサエン酸)(C22:6)があります。これらの脂肪酸は身体の中でEPA(エイコサノイド)は生体膜のリン脂質、DHA(ドコサヘキサノイド)は脳を中心とした神経系のリン脂質に広く分布しています。
これらの脂肪酸は特に新生児の脳神経系の発育や機能維持に不可欠です。また、虚血を防ぎ、不整脈を防止します。
ただし、過剰摂取の弊害として出血時間の増大、体内酸化の促進、糖尿病や高脂血症患者のLDL増大、血糖値抑制作用へ影響を与えます。
いずれにしても油脂(脂肪酸)もバランスよく適量に摂取することが大切です。

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